・HALF QUARTER BOOK ONE
私が手に取ったのはどうやら改訂版の方らしく。初版との違いについてはわかりませんが、少なくとも削られたものはない…のかな?内容はPC版ドラゴンマスターシルクやシャイニングフォース外伝1・2&CDの設定画がメインで、ラストに没企画のキャラクター絵のラフが載っています。初代シルクの絵はかなり異質というか、続編の2やシャイニングフォースシリーズと比べて、明らかな絵の違いに驚きます。絵柄が完全に固まりきってないといいますか、線画もかなりシンプルで、意図的に書き込みを減らした絵にしているように思えます。やっぱりアニメっぽさを意識して目指していたんでしょうか。リメイクのSS版では実際にアニメ化してますしね。
フォース外伝のコーナーでは氏のコメントが多く載っていてとても興味深かったです。フレーベルのような余裕しゃくしゃくな女は考えていてとても楽しい、でかい顔で男社会に無責任に土足で入り込んでくるような強い女性がかっこいいと思う、と言ってしまう彼の女性観はドラゴンマスターシルクにもよく表れているかと。最も心打たれたのが「ぼくは自分が描いた絵で嫌いなものがほとんどない」という一文。すぐ後に世界一の幸せバカです、なんて自虐してますが、実際の所それが絵描きにとっては一番必要な事なのではないでしょうか。
ニックの初期設定、マックスに似てるデザインもちゃんと用意されていたのに驚き(笑) ケンの発言に首を傾げたプレイヤーは数知れずと思いますが、ああ言わせておいて微塵も似てないキャラ絵を採用する意図はさっぱりわからないですね。
あと、フォースシリーズおなじみの「読んで娘」は製作側からは「始める女」と呼ばれていたとか…ファンの間での通称の方がずっとマシって…どういうことやねーん!
・HALF QUARTER BOOK FOUR
当時進行中だったらしい「ハンフロール」というRPG企画の設定本。結局世に出ることはなかったんでしょうか?世界観やキャラクターの解説が細かく描かれていて、読み応えがありました。そのままシャイニングフォースで使っても違和感がないかも(笑)
「人間なんて外でりゃウジャウジャいるんだからわざわざ絵に描く必要性を感じない」というコメントには笑ってしまいました。恋愛ゲーに興味がないというのも、後に出たシルク外伝の仕事にあまり乗り気じゃなかった風なのと繋がって1人納得。この本、モンスターやロボットはいても人間の男体型のキャラは一切いないあたりが「らしい」なぁ、などと。
・HALF QUARTER BOOK SIX
シャイニングフォース3の設定画まとめ本。これずっと読みたくて探してたんですよ…(感涙)
結構長い間、フォース3に梶山氏が関わっていた事実に気づかずにいた私ですが、この本を読んで更に彼の仕事量についても見誤っていたことを知りショックを受けました(汗 まさか、シンビオスが氏のデザイン(が元)だったとはなぁ…
少なくともシンビオス軍はほぼ全員山内真さんのデザインだと思ってたんですが、完全に間違いですね。守護像とかエルベセムの杖も…いやはや、参りましたよ。まあでも、言われてみれば梶山氏のセンスだよなって思う所もあり(見る目ゼロ)
梶山絵の主人公3人のイラストは素晴らしい。他人のキャラを描くのは難しい、と言いながらもノリノリで私服(?)メディオンのラフ絵描いたりしてるのも可愛い(可愛い?) BOOK ONEで「他の絵師が関わった仕事に自分がイメージを提供するのは不気味」と言ってましたが、自分がやられる側(梶山氏がデザインしたキャラを山内氏が公式絵として描く)になるのも内心複雑だったんですかね。前書きで山内氏に対して申し訳なさそうにしてるのがまた…(笑)
ところで、梶山氏と山内氏って面識はあったんでしょうか。黄金の太陽でも一緒に仕事してますし、実際に顔合わせぐらいはしてると思いますが…