2020/08/02
【Archive】カースブラッド/梶山浩 [漫画]
『カースブラッド』は、2017年にコミックRYUにて連載されていた梶山浩先生の最新作…にして、未完の遺作となってしまったダーク・ファンタジー漫画です。
氏が亡くなってから2年経ってから読むと言うのも、今更感があるのは自覚していますが、最近になって氏の仕事を改めて追いたいという欲が出てきてしまって、ついに手を出すこととなりました。
本作の魅力はやはり丹念に描き込まれた緻密な作画。異世界を舞台にする作品は昨今急激に増えましたが、画だけでここまで重厚な世界観を演出できる作家は今となっては希少だったのではないでしょうか。
シャイニングシリーズ好きならお馴染みの半身半馬の一族も登場します…が、なんと脚が6本生えてます。おそらくギリシア語での6(ヘキサ)+セントール(半人半馬)=「ヘクトール」という創作。そこは普通に4本脚ケンタウロスにしても問題ないだろうに、あえて一捻り入れてくる所に、既存のファンタジーのお約束をただなぞるだけの作品にはしないぞ…という梶山先生の強い拘りを感じました。主人公・ソロモンの刺青を自在に操る能力も、攻撃や防御に使うだけでなく背中に羽根を生やして空を飛んだりと、多彩に応用が利く設定になってるのが面白いと思いましたね。
敵役の女導士・マルカの妖艶さと部下にも容赦のない残忍さには終始ゾクゾクさせられっぱなし…彼女はいかにも梶山先生が好みそうなキャラクターで、マルカパートはめちゃくちゃ楽しんで描いてただろうなぁ~と想像してニッコリしてしまう(キショ
…しかし、この1巻では物語の導入の導入を見せられただけ…はっきり言って、「何も始まらないまま」終わってしまった感があります。世界観のディティール表現への拘りには凄まじい熱量を感じるもの、肝心のお話が一向に動いていかないいのが非常にもどかしく…正直、このペースで先生の構想を全て描き切るまでに読者、もとい編集部が根気強く待ってくれたかどうかは疑問です。
せめてキョウコが着替える所まで見たかったですね…まさかパジャマのまま終わるなんて…
私が今作で最も興味を惹かれたのは、キョウコがソロモンとどう関係を深めていくのか、その1点でした。氏の作風的に、単純な恋愛関係に落とすことは絶対にしなかったとは思うんですよ。つくづくこの物語の続きを未来永劫読めない事が、ただただ残念でなりません…
氏が亡くなってから2年経ってから読むと言うのも、今更感があるのは自覚していますが、最近になって氏の仕事を改めて追いたいという欲が出てきてしまって、ついに手を出すこととなりました。
本作の魅力はやはり丹念に描き込まれた緻密な作画。異世界を舞台にする作品は昨今急激に増えましたが、画だけでここまで重厚な世界観を演出できる作家は今となっては希少だったのではないでしょうか。
シャイニングシリーズ好きならお馴染みの半身半馬の一族も登場します…が、なんと脚が6本生えてます。おそらくギリシア語での6(ヘキサ)+セントール(半人半馬)=「ヘクトール」という創作。そこは普通に4本脚ケンタウロスにしても問題ないだろうに、あえて一捻り入れてくる所に、既存のファンタジーのお約束をただなぞるだけの作品にはしないぞ…という梶山先生の強い拘りを感じました。主人公・ソロモンの刺青を自在に操る能力も、攻撃や防御に使うだけでなく背中に羽根を生やして空を飛んだりと、多彩に応用が利く設定になってるのが面白いと思いましたね。
敵役の女導士・マルカの妖艶さと部下にも容赦のない残忍さには終始ゾクゾクさせられっぱなし…彼女はいかにも梶山先生が好みそうなキャラクターで、マルカパートはめちゃくちゃ楽しんで描いてただろうなぁ~と想像してニッコリしてしまう(キショ
…しかし、この1巻では物語の導入の導入を見せられただけ…はっきり言って、「何も始まらないまま」終わってしまった感があります。世界観のディティール表現への拘りには凄まじい熱量を感じるもの、肝心のお話が一向に動いていかないいのが非常にもどかしく…正直、このペースで先生の構想を全て描き切るまでに読者、もとい編集部が根気強く待ってくれたかどうかは疑問です。
せめてキョウコが着替える所まで見たかったですね…まさかパジャマのまま終わるなんて…
私が今作で最も興味を惹かれたのは、キョウコがソロモンとどう関係を深めていくのか、その1点でした。氏の作風的に、単純な恋愛関係に落とすことは絶対にしなかったとは思うんですよ。つくづくこの物語の続きを未来永劫読めない事が、ただただ残念でなりません…
改稿:2024.8.21