【序章・エルアスタ】
ラウエル
「王子は私たちが大地震の後始末をしているすきに
町を抜け出してスライムいじめをしていましたな?」
(町を出ようとしたところを兵士に止められて)
アトラス
「ラウエルじいには黙ってればわからないんだから、ちょっと外に行かせてくれよ」
アトラスのやんちゃな一面が垣間見えるシーン。王子様といえどまだまだ遊びたい盛りの子供です。ラウエル爺に何度連れ戻されようが懲りずに抜け出すあたり、全く悪びれてません(笑)
スライムいじめが趣味なのは若い頃の父親と一緒な訳ですが本人はそれを知っているのか否か。
【序章・ルディアの城】
(セリオスから聖なるシリーズの装備一式を貰い受けて)
アトラス
「父上!いまどきこんな昔のものを着て歩いている者なんかいませんよ。」
聖なるシリーズといったら1では終盤でしか手に入らない、超高価かつ強力な装備品だったものですが、それも20年も経てばただの骨董品扱い。パーティ全員分揃えるの結構大変だったのにナー(実体験済)。まさに親の心子知らず。
ワプの翼の登録も事前に済ませておいてあげたり、息子のためにありとあらゆる準備を尽くすあたりにセリオス王が息子を相当に甘やかしてるのがわかるでしょう(ここはセリオス自身が幼い内に父親を亡くしている事が大きいかも)。セリオスだけではありません、ディーナお母様もフェリシアお婆様もアトラス王子にメロメロなんです。アトラスが家族皆に愛されて育ってきたのが伝わってくるこの旅立ちの場面、大好きです。
【序章・リーゼルの町】
ランドー
「ヘンッ、この間はおめぇのせいでおっさんよばわりされたんだからな。」
「いつまでもうろちょろしてねぇで 家帰っておとなしくしてろってんだ。」
アトラス
「ごめんなさい。ぼくのせいで、いやな思いをさせてしまったみたいで…」
「でも、どう見たっておじさんなんて年には見えないのに。」
ランドー
「ん・・・だろ?いやー、おまえっていいやつだな。」
「ところでよ、おれっていくつぐらいに見える?」
アトラス
「んー 21か2ぐらいじゃないかな。」
この会話の前にロンドの港でチンピラに絡まれていた所をランドーに助けてもらっているアトラス。しかしその時のアトラスはなぜか一言の台詞も発さないんですよね…抵抗する素振りもなく黙って有り金全部取られて、ランドーがチンピラに喧嘩吹っかけてどこかへ行ってしまった時もスルー。王子様にとってはあの程度のはした金、欲しいならあげちゃってもいいさという腹だったのでしょうか。いやいやプレーヤーにとっては痛すぎる損失だったわけですが閑話休題。
ともかくその件でアトラスに被害はあっても非は全くないはずなのにすぐに謝りの言葉が出てくるあたり人が良すぎます。さらに年齢の話ですが、これはランドーのちょろさを見越した上での計算…ではなく本心から言っているのでしょうねぇ… 確かにPCE版のランドーなら原作と比べればギリ20代に見える程度には若々しく描かれてますが、それでも無理があると思う(笑)
(事情を知ったランドーがアトラスに無理やりついてくることになり)
アトラス
「もう強引だな…じゃあ旅の仲間としてひとこと言わせてもらうよ。」
「ぼくはルディアの町に住んでいる少年アトラスだ。王子なんかじゃないよ。」
ここはですねぇ、言い方が可愛いんですよ(笑)
なんだかんだでランドーを快く受け入れてる所が良いですね。
【序章・ラルファの港】
(呪文屋に聖なるシリーズは昔6万から10万Gで取引されていたと言われて)
アトラス
「そんなにいらないよ。船に乗るための切符が買えればいいんだ。」
呪文屋
「そうですか では全部で150Gってところでいかがでしょう?」
アトラス
「助かった、それだけあれば切符が買えるよ。」
◇
ランドー
「アトラス、おめえ何でそんなに人がいいんだ?」
「どうせなんだからもっと高く売ればよかったのによ。」
アトラス
「船にさえ乗れればいいと思って…」
ランドー
「世間知らずなやつだぜ…」
船の切符代を確保するために父上からもらった最上級装備品を二束三文で売り飛ばしてしまうくだり。セリオス王涙目。後先を全く考えないアトラスの能天気ぶりに唖然とさせられたのは私だけではないはず(笑) でも萌えちゃうくやしい。
【序章・ジェラルド邸→セリスの町】
アトラス
「ジェラルドさん ぼくたちはセリスの城に用があるのですが 兵士が話をきいてくれず 中に入れてくれないのです。」
ジェラルド
「あたりまえだ お前らのような下品なやつがこの時期に城に入れるはずがなかろうが!!」
アトラス
「そこをあなたの力でなんとかしてもらえないでしょうか?」
セリスの城に入るための口利きをジェラルド氏に頼むくだり。身分を隠しているとはいえ、ここまで丁寧にお願いしているというのにヒドイ言われようです。ランドーはともかくアトラスきゅんを下品扱いするのはちょっと許せませんねぇ…(半ギレ)
ここはフローラたんのおかげで何とかセリスの城に入れてもらえることになります、が。
(兵士に話をつけてもらったチャーリーに対して)
アトラス
「どうもありがとう。ジェラルドさんに感謝していますと伝えてください。」
あれだけジェラルド氏に罵倒されても怒るどころか真っ先に出てくる言葉がコレですよ。聖人か!
しかしそんなアトラスの思いも空しく、チャーリーから言い渡されるジェラルド氏の伝言が『二度とわしの可愛いフローラに近づくな!』です。これに対するアトラスの反応は何もありませんが、全く動じていないというのならどれだけ鉄のハートなのだろうか、と…単に鈍感なだけ?
【第1章・ルディアの城】
(セリオスを追うことをディーナに危険だと止められて)
アトラス
「ぼくはわかったんです。エリオンさまを見て…」
「エリオンさまはラヌーラにモンスターが現れたとき、まず国民の安全をお考えになりました。」
「父上にしてもそうです。今はきっと国民だけでなく世界中の人たちの安全のことを考えているはずです。」
この言葉を聞いたラウエル爺が感動に咽び泣くわけですが、私も全く同じ気持ちでした(笑)
普段のほほんとしていても有事の際にはビシっと決める。素敵です。
【第1章・王家の墓→セレの村→ルドラの港】
(何故王家の墓にいたのかを聞かれ言い渋るフローラに対して)
アトラス
「何か わけがあるんだね?よかったら話してくれないか?」
フローラ
「えっでも…バカにされるだけですから…」
アトラス
「そんなことないよ。」
「きみのような子が家出をするんだから それなりのわけがあるんだろ?」
フローラとはまだ出会ってから数日も経ってないというのにこの肩入れっぷり。ジェラルド氏に口利きをしてもらった恩義を感じてるのは確かでしょうが、それだけではないはず。優しい子なんですよね…本当に。
(フローラをソルディスへ連れ出すことを許してくれないジェラルドの前で)
ランドー
「もうめんどくせえなあ。このままおいてっちまおうぜ。」
アトラス
「それじゃフローラさんがかわいそうだよ。いっしょに逃げよう。」
まさかの父親の目の前で駆け落ち宣言。本人は何の気なしに言った台詞でしょうが、並の女の子ならこんなん一発でオチますよ!?しかし幸か不幸かお相手のフローラも王子に負けず劣らずのド天然。特に何がある訳でもなく、慌てるジェラルド氏を尻目にワプの翼で楽々逃亡の旅へ。ランドーは蚊帳の外ですか?(笑)
(ボアードにルドラの港まで送ってもらって)
アトラス
「ありがとう。料金は?」
ボアード
「そんなのいらねぇよ。どうしてもって言うなら珍しい酒か宝石でもくれよ。」
「それよりその娘さんとうまくやれよ。おやじさんたちには黙っててやるよ。」
アトラス
「えっ 何のこと?」
本人たちの知らぬところで外堀だけが順調に埋まっていくこの感じ。
ニヤニヤが止まりませんなぁ(笑)
【第1章・ナスールの港】
(前から歩いてきたシンディを一目見て)
アトラス
「うわ、あいつすごい筋肉だな。」
普通ならまずランドーを凌ぐ大男であるとか、顔の鉄仮面とかに目が行きそうなものですが…アトラスは筋肉を最初に意識してしまうんですね(笑)。実は自分の小柄な身体に若干コンプレックスがあるのかもしれません。鍛え抜かれたマッスルボディに憧れる王子…なにそれ可愛い(ぇ
(俺が本気になればシンディぐらい一捻りだぜと豪語するランドーに対しフローラが思わず失笑して)
フローラ
「ごめんなさい。私まだランドーさんが本気になったところを知らないみたいなので…」
アトラス
「フローラのほうがうわてだね。ランドーの負けだよ。」
フローラがそこはかとない黒さを見せた所にしれっと乗っかるアトラス。
やはりお似合いのカップルなのではないかと…(萌)
【第1章・ファエトの村】
(シンディを同行させるかどうかについて)
アトラス
「うん ぼくはかまわないけど。」
謎の大男にいきなり押しかけられたうえ、ドスの効きまくった郷里大輔ボイスで「おまえ…好き…」などという衝撃の告白をされながら、全く動揺することなくあっさりと仲間として受け入れてしまう王子の懐の深さに驚かされます。…ていうか、やっぱり何も考えてな(以下自重
【第2章・イズーの町】
(新しく配属された使用人だと勘違いされて)
アトラス
「あの どうしてぼくたちがこんなことをしなければ」
エリーサ
「もんく言わないの!!」
「自分からここではたらきたいって言ったんでしょ?」
「それじゃあまずは庭の掃除でもしてもらおうかしらね。」
アトラス
「あの ぼくたちは本当にちがうん…」
エリーサ
「もうさっきからうるさいわね!」
地下編に入ると序盤にあったような日常会話がグンと減ってしまうのが寂しい限りですが、なかでもちょっと笑える場面がここ。どうにも我の強い人物に対しては弱い王子です。勢いに押されて何も言えなくなっちゃう…
【終章・ルディアの城】
フェリシア
「どうしてあなたもセリオスも落ちついていられないのですか?」
孫は自分の預かり知らぬところで大暴れしてるわ、息子も大怪我して寝込んでたと思ったらすぐさま出撃していくわ…親子揃って考えるより先に体が動くタイプ。心中お察しいたします(苦笑)。
【終章・グロストス城本館1F】
(テクニカのマスターから電磁ビームの説明をされるも)
アトラス
「いや…あの…」
「何言ってるのかさっぱりわからねぇ」とランドーがすかさず代弁するも、とっさの言葉も出てこないぐらいのアトラスの混乱ぶりが面白い。王子可愛いよ王子。
(死にゆくフラッドを前にして)
アトラス
「くそっ、皇帝め…絶対に許さないぞ!!」
本編中唯一といっていい、アトラスが怒りの感情を露わにする場面。フラッドの無念さを重く受け止めた証でしょう。
元々正義感の強い王子、抒情酌量の余地のない絶対悪に対しては容赦はありません。ここで打倒皇帝への思いをさらに強めることになります。
【終章・決意の間】
(皇帝に改造されていた間何をしていたのか覚えてないガービィに)
アトラス
「ガービィさん あなたはそれからずっと気を失っていただけです。」
こういう事をさらっと言えるあたりが王子の素晴らしいところだと思うのです。
ガービィだけでなく、実の娘であるレイシアへの気遣いも忘れない。
アトラス
「ちょっと待ってくれ!!」
「皇帝は、今まで戦ってきたどんな敵よりも強大な力を持っているだろう。」
「これ以上君たちを危険にさらす訳にはいかない。」
「ここからはぼくひとりで行く。みんなはここで待っていてくれ。」
最終決戦を前に王子の正義感(責任感?)があさっての方向に大暴走(笑)。ここまで来て一人で行くなんて馬鹿な話もないのですが、若さゆえの先走りですかねー。
(それでも一緒に行くと口々に言う皆に対して)
アトラス
「そうか…みんな ありがとう。」
ランドー
「さあ早く行かねえと皇帝に逃げられちまうぞ。」
アトラス
「よし、それじゃみんなで行こう!!」
もしかしたら、ただ皆の気持ちを確かめたかっただけなのかもしれないですね。
【終章・目覚めの橋】
(突然橋が割れ奈落の底に落ちて行ったシンディに)
アトラス
「シンディ……見ててくれ!皇帝は必ず倒す!!」
王子に限らず皆いくらなんでも切り替え早すぎだろ!…と言いたくなりますが、まぁこれは後の展開を考えれば仕方ないかな。
アトラス
「レイシア!皇帝はぼくたちにまかせてくれ。」
「君はお父さんのそばについていてあげるんだ。」
レイシア
「アトラス…無事に戻ってきて。」
アトラス
「ありがとうレイシア。必ず戻ってくるよ。」
そしてちゃっかりレイシアとフラグを立てるアトラス。人が死んでんねんで!?
【終章・玉座の間】
(突如壁を破って現れたドラゴンに)
アトラス
「こいつは父上の所によく来ていたドラゴンだ。」
「あのドラゴンがシンディだったのか。」
ランドー
「おれのおやじのせいだな。変身の呪文を研究してたからな。」
アトラス
「シンディ。いっしょに戦ってくれるんだな?」
「よーし みんないくぞ!」
ここでシンディがセリオスのドラゴンだったことが明かされますが、フローラの勘の良さと言い状況把握スムーズすぎだろうと…それにアトラスはさっき自分が言ったこと覚えてないのか?最初1人で戦いに行く言うてたやん!…などと突っ込みどころ満載の超展開でありますが、シンディ復活を純粋に喜んでるっぽい王子には素直に萌えておきたい。実際、シンディがいないとまともに皇帝と戦えないしね!たとえオビス一発で気絶させられても酒浴びせれば起きるし(笑)もう何でもありです。
【エピローグ】
フローラ
「ねえ、アトラス様。ドレイクさんもフラッドさんも本当は良い方たちなのに
どうしてあんな悲しい事が起こってしまったのでしょう。」
アトラス
「たぶん、誰も悪くはないんだよ。」
「最初にちょっとした誤解があっただけなんだ。」
「でも、その誤解が憎しみを生んで お互いを傷つけあうことになってしまった…」
「確かに人間は、愚かな存在なのかもしれないね。」
「そういえば昔、父さんが話してくれたことがある。」
「アグニージャは愚かな人間たちを滅ぼすために現れたって。」
フローラ
「アグニージャが…そんなことを?」
アトラス
「そうさ。でもね、フローラ。アグニージャは最後にこうも言ったんだ。」
「人間たちに未来を託そうって。」
フローラ
「私たちが、頑張って、未来を良くしていかなければならないのですね。」
アトラス
「そうさ。僕たちにはこれから学んでいかなければならないことがたくさんある。」
「確かに、人間は愚かな生き物かもしれない。でも、それだけたくさんの可能性を持ってるってことなんだ。」
「フローラ、これからも力になってくれるね。」
フローラ
「お手伝いいたしますわ。」
ここでの語らい、本来はランドーも一緒にいるらしいんですが、PCE版ではなぜかアトラスとフローラの二人だけの会話になってます。これを原作からの改悪だとするかは人によると思いますが、アトラス×フローラのカップル支持者の私としてはまぁ悪くないかなという所。ランドーとはわざわざ言葉を交わさずとも固い友情で結ばれてるからいいんですよ…!(苦しい言い訳)
それにしてもアグニージャの話ばっかりで今作のラスボスである皇帝の話題が一切出ないのがなんとも言えませんね。まぁアトラスとは何の因縁もないと言えばないですからねぇ…絶対悪として倒されるだけの存在、で終わってるんですね。それが悪いことだとは思いませんが。
アトラス
「女神フレイアよ。どうか、力を与えてください。」
「皆が平和に暮らせるように。今よりもっと、幸せになれるように。どうか、見守っていてください。」
アトラス
「フローラ。ランドー。みんな…ありがとう。」
ここまで印象に残ってるアトラスの台詞を抜き出して気づいたのですが、とにかく「ありがとう」という台詞が多い。常に他人に対する感謝の気持ちを忘れないんですよね…彼は。実際ゲーム中でも様々な人の助けを借りて苦難を乗り越えていく訳ですが、それを自分だけの力だと過信しないのが良いです。
レイシア
「期待しているわ。あなたならきっといい指導者になれる。」
アトラス
「ありがとうレイシア。」
「これからは地上の人間と地底の人間が交流する、新しい世界が始まるんだ。」
…レイシアの謎の上から目線が気になりつつも(笑) アトラスならきっとより良い未来を創っていける、そんな確信を持たせてくれる素晴らしいエンディング。そして最後に表示されるこのモノローグ。
小さな太陽は やがて父をこえ
大きな太陽として輝く
これに心から納得できたからこそ、私はアトラス王子に…英雄伝説2にここまでハマれたんだろうな、と思いました。