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【Archive】ドラゴンスレイヤー英雄伝説 [PCE]

英伝30周年おめでとう 1991年に発売されたPCエンジンのゲームです。89年にFalcomが製作したPC用ゲームの移植版となります。
 私は元々その続編であるドラゴンスレイヤー英雄伝説2の方に興味があり、1は後回しにするつもりでいました。しかし調べていくと思った以上に2とのストーリーの関連性が深いことがわかってきて、これは素直に順番通りにプレイした方がいいな…と考え直したのでした。

 PCエンジン製のゲームをやるのはこれが初めてだったのですが、この時代のゲームにキャラクターボイスとCD-DA再生によるBGMが流れるというのが何ともスゴイ。グラフィックやシステムはともかく、音関連では他ハードよりも一歩先を行く演出が出来たのは強かったのではないでしょうか。特にBGMは20年以上経った今でも色褪せない魅力があると思います。もちろん、元々の原作楽曲のレベルも高かったことがあるでしょうが。

 ゲーム自体は古き良きオーソドックスなコマンド型RPG。個人的に感心したのが「オートバトルシステムの有用性」でした。RPGで何が一番ダルいってザコ戦闘の繰り返しによるレベル上げ作業だと思うんですが、このゲームはオートバトルのAIが非常に優秀なので、ボス戦以外はほぼオートで賄えるんですよね。私が今までやってきたRPGの中にもオートバトルシステムを採用してるものはいくつもありましたが、このゲームほど使えたと感じたものはなかったです。
 しかしRPGの醍醐味の一つである戦闘をAIに任せっきりにして楽しいのか?という疑問については、他の部分で攻略性を持たせることで上手くバランスを取っていると思います。例えば呪文は一人につき8つまで種類に関係なく覚えさせることが出来ますが誰にどの呪文を持たせるかはユーザー次第ですし、レベルアップ時のボーナスをどのパラメータに振り分けるかも実は重要。オートバトルで楽をする為にはある程度ユーザー側がそうなるように準備しなければならないんです。
 基本的に敵は強く設定されてるし、武器や防具は章を経るごとに超高額になっていき、全員分揃えるにはちょっとやそっとの金稼ぎでは追いつかないという。結局ザコ戦闘を数多くこなさなければいけないことに変わりないのですが、オートバトルシステムのおかげでのその作業の苦痛感を減らすことが出来る。これはかなり大きいですよ。

 ストーリーについて。
 意外だったのが、このゲーム、実は結構なメタゲー。
 RPGのお約束事に対するさりげないツッコミや皮肉が所々に織り交ぜられています。
 オリジナルの発売年を考えれば、なかなか先進的だったんじゃないかと思われます。
 それが最も際立っていたのは、第4章バズヌーン城で追い詰められたアクダムがディーナ姫を人質にとり、セリオスに風よけの穴まで一人で来いと言い放つ場面。「くっ…卑怯な…!」とアクダムを誹るセリオスに対し返した台詞がこちら。



「卑怯だとぉ?今までこのワシ1人に4人で向かってきたのは誰だ!?貴様らに卑怯呼ばわりされる覚えはないわ!」



セリオス氏2
 (元ネタ・激○戦隊カーレンジャーより)

 …とまぁこんなネタ絵はともかく、なんという強烈なメタ台詞。この手の作品で一番言ってはいけないタブーに触れていくアクダムさん、そこに痺れる憧れる。
 序盤から主人公の仇敵として立ちはだかるアクダムさん、出オチ感あふれるネーミングも含めとってもお気に入りのキャラです。2章で呪文が封じられるや否やさっさと逃亡する所とか、ワプの羽が洞窟内で使えないことに気付かずヤケクソ気味に特攻を掛けてくるあたりなんてもう…可愛いですよね!(何 倒された後の「強くなったな…セリオス…」の台詞も色々な含みを感じられて好きです。

 ありがちな中世ファンタジーに見せかけて実は壮大なSF、という世界観のどんでん返しも良かったですね。OPの「はるか昔、いや、もしかしたら遠い未来のことかもしれない」の一文がまるごと伏線(ていうかネタバレ)。
 「人間こそが世界に闇の時代をもたらし、世界を滅亡に導く真の破壊者である」というアグニージャさんの主張にはその通りだとしか言いようがないですが、これはもう人間が生きてる限り永遠に付きまとうテーマでしょうなー。

 何だかんだでサクサクプレイ出来たゲームでしたが、狼の口の仕掛けにはまんまとやられました…
 あの意味ありげな岩、動かせるんかい!何度調べても何の反応もないからフェイクのオブジェだと思ってたのに…
 おかげでゲイルを継ぐハメになるわ音を出さずにゆっくり歩く場所を間違うわでもう散々でした。
 きっとここで躓いたプレイヤーってそんなにいないと思うんですよ。だから余計に悔しい(笑)
 そういや光のつるぎが装備できるものだって気づくのも遅かったですね。いやだって燭台で出来てるんだよ?武器として使えると思わないやん?そういう思い込みがレトロゲームでは命取りなんだよなぁ(涙目

 最後にメインヒロイン(のはず)のディーナ姫。いくらなんでも出番なさすぎ(笑)
 説明書のキャラ説明「アクダムに連れ去られ、奴隷市場に売り飛ばされる」の一文に私がどれだけ胸をときめかせたかわかりますか!?お姫様が誘拐されて奴隷化ですよ、そこから行き着く妄想なんてアレしかないじゃないですかー!(自主規制
 PCE版ではあの皆口裕子女史がボイスを担当しているというのに、全然喋ってくれなくて本当に悲しかったです…
 そのあたりも含め、本命である続編の2に期待するといたしましょう。

プロフィール

明日から本気出す
HN:ぷにょにょん(仮)
レトロゲームをネタに妄想を滾らせることを生き甲斐にする拗らせオタク。二度とは戻らぬあの頃に思いを馳せては感傷に耽っている

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