wowaka氏のあまりにも突然すぎた夭折は、5年の月日を経た今でも私の心に浅からぬ傷痕として残り続けています。ボカロP時代から彼の音楽に魅了され、バンド活動にシフト後もなお進化し続けるサウンドに無限の可能性を見ていた私にとって、彼がこれから歩んでいくはずだった輝かしい未来があっけなく絶たれた事は、絶望以外の何物でもありませんでした。
誰にとっても等しく訪れる死、だけど、こんなにも早く彼を連れて行ってしまうなんて。どう考えても納得が出来ないのです。今でもずっと。
”それでも人は続く”
”呼吸をやめるまで”
”その声を焦がし尽くすまで”
もし『NOTOK』が生前に発表されていたならば、この歌詞の一節は他の誰でもない、wowaka氏が自らを鼓舞する言葉のように聞こえたでしょう。しかし既に彼がこの世を去った今となっては、後に残された私たちへの痛烈なメッセージとして胸に突き刺さってしまうのです。
”あの娘の夢が覚め”
”空が白むのなら”
”この戯言だって良いだろう”
私のような凡人がのうのうと生き残り、wowaka氏のような才能あふれる素晴らしい人が早くに亡くなってしまう理不尽を恨まない日はありませんでしたが、もう、そんな不毛な思考は止めにしようと思います。
貴方の新しい音楽に触れることはもう出来なくても、貴方が残してくれた音楽は何度でも私を奮い立たせてくれるでしょう。いつか”向こう側”に伺う事があれば真っ先に伝えたいです。
「ありがとう」と。