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【Archive】ゴーストトリック[iOS版]

 『ゴーストトリック』は2010年にカプコンから発売されたニンテンドーDSのミステリアドベンチャーです。ついったを眺めていたらこれのiOS版が販売されている事を知り即購入した次第です。逆転裁判シリーズのメインライターである巧舟氏が関わっていることもあり前から気になっていたゲームではあったんですよね。
 ちなみに逆転裁判はGBA版の3作をプレイ済みです。当時は滅茶苦茶ハマってましたねぇー。そもそもGBAを購入した目的が「逆裁(とマザー3)遊びたかったから」だったりもして、自分にとっては印象深いゲームの一つではあるんです。ただ4で主人公交代に失敗し成歩堂君がアレな事になってしまったと知った時にそのまま離れてしまいましたね…まぁ、GBA3部作で十分満足出来たので無理にシリーズを追う事もないのかなと。

 閑話休題。以下、ネタバレを含む感想になります。
 非常に完成度の高い一品です。細部まで描き込まれたグラフィック、個性豊かなキャラ、クールでスタイリッシュなBGM、謎が謎を呼ぶ訴求力の高いストーリー、センス溢れる軽快な台詞回し。何から何まで一分の隙もないクオリティの高さに驚かされます。
 主人公の「物に憑りつき(トリツク)、自在に操る(アヤツル)能力」で、どういった順番で物を動かし、または誰にどういう動きをさせるのか…という、頭脳パズルのように試行錯誤をしながら状況を打破していく面白さ!一発でクリアしてやろうと意気込んでも、必ずどこかで失敗しやり直しを余儀なくされ何度も悔しい思いをしました(笑) しかしその成功の手順までに辿り着くプロセスが本当に楽しくて、製作者の掌の上でまんまと転がされてる…!という自覚はありつつも、悪い気はしない不思議。
 動かせる対象を増やしたり、成功パターンを何通りか用意することでいくらでも難しく出来そうなシステムではありますが、そこは絶妙な難易度で調整されています。まさに「プロの仕事」ですね。

 このようにベタ褒めも厭わない程に良く出来たゲームではあるんです、ゴーストトリック。
 ただ…一つ気になったのが、あまりにも「逆転裁判」のエッセンスが出すぎという点です。
 巧舟氏がメインライターなのだから当然といえば当然ですが、プレイ中常に逆転裁判の影がチラついてしまうレベルで会話のノリやシナリオ・演出が似通っているのはさすがにどうかと思いました。最初こそ逆裁っぽいノリを懐かしく感じて喜んでいたのですが、だんだんと「や、いくら何でも逆裁過ぎじゃない…?」と少し冷ややかな気持ちになってしまった事は事実です。せっかくの新しい世界観・システムを使った完全新作を謳っているのだから、逆裁とはもっと差別化を図っても良かったのかな、と。逆裁シリーズのノウハウがあればこそ作れた秀作ではあると思いますが、その残滓を感じ取れ過ぎたのが(私にとっては)マイナスになってしまったんですね…まぁ、ここは人によりけりだとは思うので、あくまで「私の場合は」、と強調しておきます。
 もし逆裁シリーズを未プレイでゴーストトリックをやり、「こういうシナリオをもっと読んでみたい!」という人がいたのならば、ぜひ逆転裁判を1からプレイすることをオススメします。これ以上のボリュームで、同レベルのミステリをたっぷり楽しめますから。

 …とまぁゲーム自体には何の落ち度もない難癖について随分と書き連ねてしまいましたが、こうした不満は最後の最後で一気に吹き飛んでしまいます。ラストで明かされる主人公・シセルとその導き手であったクネリの正体…あんなの反則です(号泣)
 主人に尽くす健気な飼い猫及び飼い犬を物語のキーパーソンに持ってくるなんて、そんなの胸キュンしちゃうに決まってるじゃないですか…!!ずるいですよ!!!
 このゲームのMVPは間違いなくポメラニアンのミサイルです。初登場時から一目で気に入った子ではありましたが、まさかここまで最重要人物(犬物?)であるとは予想できませんでした。シセルの正体にも驚きましたがミサイルの真相はそれ以上の衝撃…犬猫好きのハートを一気に鷲掴みにしていきました。完敗です。
 いやはや、本当に素晴らしいゲームでした。胸を張って人様にオススメできる名作と言えるでしょう。私も記憶が薄れた頃にもう一度プレイしたいですね。

改稿:2024.08.22

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HN:ぷにょにょん(仮)
レトロゲームをネタに妄想を滾らせることを生き甲斐にする拗らせオタク。二度とは戻らぬあの頃に思いを馳せては感傷に耽っている

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